21世紀COEプログラム
動的機能機械システムの数理モデルと設計論
The 21st Century COE Program
"Center of Excellence for Research and Education on Complex Functional Mechanical Systems"

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研究会のお知らせ > 社会連携講演会(2003/11/22) > 文と理をつなぐもの

文と理をつなぐもの

毎日新聞科学環境部 元村有希子 氏157x148(3890bytes)

官僚制に象徴される「文」と,技術を支える「理」は,お互いに知り合おうとせず,依然として「文」と「理」の間には「バカの壁」がある.日本人の2年連続のノーベル賞受賞をきっかけに,賞を取るまで無名ではダメだ,日本の持つ潜在力として,研究者や技術者を紹介しようと思い,「理系白書」を書くことにした.言わば,理系と文系の橋渡しをしようと考えたわけである.この「理系白書」の目的は,技術者,研究者の本音を現場からルポしようというものであり,「理系白書」には,理系がんばれというメッセージと理系自らが「バカの壁」を越えてほしいという2つのメッセージをこめている.

この「理系白書」が予想外にヒットし,他のメディアにも展開し,行政,学会からも反響があった.この反響には,理系という存在を社会の中に位置づけたなどの賞賛や,いまさら文系理系を分ける時代じゃないという批判など,さまざまな声があった.多くの反響があったのは新鮮な「横断型」切り口が受けたからではないか,と元村さんは評価している.

これほど,「理系白書」に対して反響はあったものの,政・官・財の上には理系の人間がほとんどおらず,上に行くほど理系が減るという現実があり,依然として世間では,文系が主役となっている.また,文系の人間は理系の粘り強さや専門性は認めているものの,頑固,地味,ネクラなど負のイメージも多く持っている事実がある.

今の社会が新しい可能性を見出すために,直感や総合力を持つ文系と,熟考,洞察,専門力を有する理系がつながるべきである.そこから,お互いの不足している部分を補った共創社会となり,新研究領域が生まれるのでないか.そして,文理共創を実現するためには,理系が文系との壁を越えるしかなく,大学における教育や,社会面からの解決案を提案したい.


京都大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 機械物理工学専攻 精密工学専攻 航空宇宙工学専攻
  情報学研究科 複雑系科学専攻
京都大学 国際融合創造センター
拠点リーダー 土屋和雄(工学研究科・航空宇宙工学専攻)
拠点事務局 林 紀夫

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