21世紀COEプログラム「動的機能機械システムの数理モデルと設計論」

第7回社会連携セミナー
および京機会関東支部SOE

本セミナーでは,昨年度より,21世紀COEプログラム「動的機能機械システムの数理モデルと設計論」に於ける社会連携活動の一環として,複雑系機械工学と先端技術についての講座を開講して参りました.今年度のCOE, SOEセミナーでは,毎回,あるテーマを掲げ,大学・産業界からの研究紹介に加え,より広く社会を展望した産学での共通の問題を議論し意見交換をさせていただく機会として企画を進めて参りたいと考えております.

第7回の京都大学21世紀COEセミナーとして,以下のようなテーマを企画致しました.皆さまの積極的なご参加をお願い申し上げます.

テーマ:『持続性社会とこれからの機械工学』

なお,講演会終了後,下記のSOE(Salon of Excellence)も開催いたします.

参加希望者は,京機会ホームページ内,会合受付にて,COEおよびSOE,それぞれに出欠他,必要事項を必ず記入の上,申し込み願います.なお,卒業生以外の方は,卒業年次は「その他」を選択下さい.また,COEの参加者名簿は Web で閲覧できますが,SOEはできません.


第7回社会連携セミナー

開催概要

日時: 2005年7月22日(金) 13:30〜17:00
場所: 学士会館
東京都千代田区神田錦町3-28 TEL:03-3292-5931
http://www.gakushikai.or.jp/facilities/
参加費: 無料
申込締切: 2005年7月15日(金)

プログラム

1.「ポスト人間中心の自動化設計」(13:30-14:20)

京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻 教授 椹木 哲夫(制御・設計グループリーダー)

本講演では,複雑適応原理に根差した柔らかな機械の機能設計・システム設計論の確立のCOE拠点テーマのもとで,我々の進めている人間と機械の境界・不連続性を取り払っていくための技術開発の現状について述べる.とくに近年の新しい制御・設計原理である「自律分散」や「創発」といったシステム概念で目指される進化発展的な「持続性」とはどのようなものであり,共通感覚的な感受性に根差した人間と機械の自然な一体感はどこから生まれ得るのか.講演では,技術と人間の齟齬が組織や安全性にもたらすさまざまな負の効用について考えながら,作業現場での人間の主体的な参加を促す新たな自動化戦略の取り組みや,人間本意主義の社会構築に向けこれからの機械技術に求められる具体的課題について,広く技術と組織・社会の関係論に敷延した私見とともに述べる.

2.「無駄の役割」(14:30-15:20)

京都大学国際融合創造センター 教授 富田 直秀

企業においても大学においても,軽度の鬱状態をかかえる人が急増していると言われている.その実体と原因は未だ明らかにされていないが,集団の機能と個々の構成員との関係に歪みが生じているのだろうと想像される.講演では「多様性」をキーワードとして,いかにして生体の適応性が生じているかを解説し,その社会とのアナロジーを考察する.一見非効率的と思われる個人の活動を見直すことによって,環境変化に対する社会の脆弱性を改善できる可能性を提示したい.社会の持続的な適応性に対する新たな理解が必要な時代となってきている.

3.「持続性社会構築を目指す鉄鋼技術」(15:40-16:30)

新日本製鐵株式会社(技術開発本部)フェロー 松宮 徹

持続性社会の実現に向けて,新商品の中に環境重視鉄鋼製品のしめる割合が増加している.環境規制適合品,LCA(ライフサイクルアセスメント)上好ましい製品,品質向上でエネルギー効率向上に寄与する製品などである.製鋼工程では,レスエミッション化が,また,上記の環境重視製品を生み出すための精錬,鋳造の制御が鍵になっている.さらに,高炉における廃プラの再資源化,コークス炉ガスからの水素製造も鉄鋼製品のLCAに考慮されるべきである.

4.総合討論(16:30-17:00)

総合討論では,上記の各講演での関連テーマについて議論を重ねて参ります.とりわけ重厚長大産業(あるいは素材メーカ)はこれから何を目指し,日本製造業の競争力の源泉である高品質・高稼働率の鍵についての企業からの話題提供をもとに,近年の機械系からの学生の就職事情をかんがみながら,今後の大学教育と企業の取り組みについてご参加の方々との自由な意見交換が出来る場になればと考えております.


京機会関東支部SOE(Salon of Excellence)

京機会関東支部では,会員が気楽に楽しみながら情報交換や人脈形成をはかる場をつくることになりました.幅広い見識を持って,国内外に影響力を行使しうる次世代人材の発掘と育成を図るのが趣旨です.技術のみならず,多様なジャンルにわたる幅広い見識の涵養をねらいとした会合です.今回は,COEセミナー終了後,同会場にて立食形式で講師も交えて,講演の内容や産学共同等の内容で自由に意見交換を行いたいと考えておりますので,奮ってご参加戴くように御願い申し上げます.お時間の都合でCOEセミナーにご参加できない方で,SOEのみご参加される方も歓迎いたします.

日時: 2005年7月22日(金) 17:00〜19:00
場所: 学士会館
東京都千代田区神田錦町3-28 TEL:03-3292-5931
http://www.gakushikai.or.jp/facilities/
参加費: ¥4,000
申込締切: 2005年7月15日(金)

問い合わせ先


京都大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 マイクロエンジニアリング専攻 航空宇宙工学専攻
情報学研究科 複雑系科学専攻
京都大学 国際融合創造センター
拠点リーダー 土屋和雄(工学研究科・航空宇宙工学専攻)
本拠点に関するお問合せは 拠点事務局 まで