21世紀COEプログラム「動的機能機械システムの数理モデルと設計論」

第2回社会連携セミナー
および京機会関東支部SOE

21世紀COEプログラム「動的機能機械システムの数理モデルと設計論」に於ける社会連携活動の一環として,複雑系機械工学と先端技術についての講座を開講いたします.

21世紀COEプログラムとは,文部科学省が「我が国の大学に世界最高水準の研究教育拠点を形成し、研究水準の向上と世界をリードする創造的な人材育成を図るため,重点的な支援を行い,もって,国際競争力のある個性輝く大学づくりを推進する」という趣旨で平成15年度から始めたプログラムです.機械系は昨年度公募され,京大の機械+航空は「機械、土木、建築、その他工学の分野」の23校のうちのひとつとして選ばれました.

この度,その研究成果を紹介するとともに,研究や教育において社会との連携を模索する目的で下記の講演会を開催いたします.京大の機械,航空の卒業生以外の方も含めて多数参加願います.

なお,講演会終了後,下記の京機会関東支部SOE(Salon of Excellence)も開催いたします.

参加希望者は,京機会ホームページ内,会合受付にて,COEおよびSOE,それぞれに出欠他,必要事項を必ず記入の上,申し込み願います.なお,卒業生以外の方は,卒業年次は「その他」を選択下さい.また,COEの参加者名簿は Web で閲覧できますが,SOEはできません.


第2回社会連携セミナー

開催概要

日時: 2004年9月24日(金) 13:30〜17:00
場所: 学士会館
東京都千代田区神田錦町3-28 TEL:03-3292-5931
http://www.gakushikai.or.jp/facilities/
参加費: 無料
申込締切: 2004年9月13日(月)

プログラム

1.「21世紀COE複雑流体現象の解明とそのモデリンググループの研究概要と研究事例紹介」(13:30-14:30)

京都大学大学院工学研究科機械工学専攻 教授 小森 悟(複雑流体グループリーダー)

本研究グループは,機械工学,機械物理工学および航空宇宙工学の3専攻に所属する熱流体工学関連の8研究室のメンバーから構成され,真の学術的COEの形成を目指して,(1) 各構成メンバーが得意とする複雑流体現象に関する基礎研究を積極的に推進し,一流国際雑誌への論文発表,国際交流等を通じてその研究成果を世界に発信できる複雑流体研究のためのCOEを形成する,(2) これらの基礎研究をベースにした複雑流体現象に関連する二つの研究プロジェクト「乱流制御システムの提案」および「大気・海洋システムのモデル化」をグループ内の研究者はもとより国内外の研究者をも取り込みながら機械系の流体工学ならではの知識を生かして推進する,ことを主目的としている.本講演では,まず標記プログラムにおける複雑流体グループの研究活動方針と研究概要について紹介するとともに,上記の二つのプロジェクトの後者の課題に関連した我々の研究室で遂行している研究内容について述べる予定である.時間が許せば,社会連携とは距離があると思われる基礎研究を実施する本複雑流体研究グループが産学連携等に如何に貢献すべきかについて主観を述べてみたい.

2.「複雑乱流場の渦構造と混合」(14:30-15:15)

京都大学大学院工学科機械工学専攻 教授 木田 重雄

乱流は熱や物質の混合や拡散など輸送効率を格段に増大させる.乱流による輸送効率の正確な予測や効率のよい制御法の開発は,乱流研究の主要なテーマのひとつである.ところで,乱流は大小さまざまな渦から成り立っているが,その中の最小の渦は管状で,乱流の種類によらず共通の物理特性 (大きさ,旋回速度,寿命,など) をもつことが最近の研究でわかってきた.この渦を要素渦と呼ぶ. 本講演では,乱流場の中から要素渦を同定する方法,および抽出した要素渦の物理特性とその動力学について述べる.特に,要素渦は反平行に接近する傾向があること,そして反平行渦対が乱流混合に重要なはたらきをすることを示す.

3.「大型回転機械用すべり軸受開発を振り返って」(15:45-16:30)

三菱重工業(株) 先進技術研究センター センター長 小澤 豊

蒸気タービン,ガスタービン,ポンプ,圧縮機など大型で高速の回転機械における軸受は,現在も油潤滑のすべり軸受が主流であり,回転機械の信頼性,安全性を支える基本的な機械要素の一つである.企業に入り20年以上にわたって,母機の大型化・高速化に伴い,世界に誇れる高い性能と信頼性を持つ各種の大径すべり軸受の開発を行ってきた.筆者が携わったこれらの開発におけるトピックス,フィールドでの信頼性を確保するために世界的にも特徴ある試験機の開発から行い,開発軸受の世界トップ性能と信頼性の実証,合わせて性能予測手法の検証を実施,これが製品のフィールドでのノートラブルを現在も持続することにつながった事例を述べる.

産業製品の品質・信頼性への取り組みは現在も過去も変わらず重要であり,機械の設計・開発の根本にあるべきコンセプトである.上記開発の姿勢・思想には今後にも活かされるべきものが多いと信ずる.産業の多くが欧米のライセンス技術から独立し成長を遂げる中,成熟期を迎えているが,新たな価値創造に向けて展開することが日本の製造業が世界との競争に勝ち抜くための責務である.また,日本の科学技術発展での世界優位確保のため,新たな産・学(独)・官連携への取り組みが様々な形で開始されているが,これらについての弊社の考え方も紹介したい.

4.総合討論「複雑系熱流体工学と産学連携」(16:30-17:00)


京機会関東支部SOE(Salon of Excellence)

京機会関東支部では,会員が気楽に楽しみながら情報交換や人脈形成をはかる場をつくることになりました.幅広い見識を持って,国内外に影響力を行使しうる次世代人材の発掘と育成を図るのが趣旨です.技術のみならず、多様なジャンルにわたる幅広い見識の涵養をねらいとした会合です. 今回は,COEセミナー終了後,立食形式で講師も交えて、講演の内容や産学共同等の内容で自由に意見交換を行いたいと考えておりますので,奮ってご参加戴くように御願い申し上げます.お時間の都合でCOEセミナーにご参加できない方で,SOEのみご参加される方も歓迎いたします.

日時: 2004年9月24日(金) 17:00〜19:00
場所: 学士会館
東京都千代田区神田錦町3-28 TEL:03-3292-5931
http://www.gakushikai.or.jp/facilities/
参加費: ¥4,000
申込締切: 2004年9月13日(月)

問い合わせ先


京都大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 機械物理工学専攻 精密工学専攻 航空宇宙工学専攻
情報学研究科 複雑系科学専攻
京都大学 国際融合創造センター
拠点リーダー 土屋和雄(工学研究科・航空宇宙工学専攻)
拠点事務局 林 紀夫
本拠点に関するお問合せは 拠点事務局 まで